台風一過、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
風も雨もそもそもの台風の移動の速度が速かったおかげで延岡の町は一瞬の暴風雨で、あれよあれよという間に過ぎ去ってくれました。
おかげさまで当方は何事もなくお昼からの営業をすることができました。
・・・とはいいましても
「今日は休もかい?台風じゃろ・・・意地悪せんでくんね、休もかい?」
朝子供たちは元気に自転車で登校していきました。近所の小学生たちも傘をもち元気に登校していきます。
そんななか大人の我々が『台風のためお休みします』とは口が裂けても言えないのです。
「なんでそんげやらしいとけ!暴風波浪洪水竜巻注意報がでちょるとよ!あんた今日は台風よ!」
うるさいんです!
毎年のことですが返事をするのもめんどくさい・・・
もし休んだら休んだで
「一人ですることもなく寂しい1日だった」
とわざわざ電話してくるので、部活やテスト勉強で時間のない娘たちも無理矢理引っ張り出して外食に連れて行かねばならなかったりします。
そんなやりとりがあったことを知ってか知らずか・・・
本日ご来店のお客さんが
「三代目!お母さんとケンカしなんなよ!」
と一言・・・。
「いや・・・それはちょっと無理ですね!」
お客さんからのお願いとはいえそれは叶わぬ願いです!
だってこの台風騒動は本日のことだけではないんです。じゃあ昨日から?
・・・いいえ一昨日から戦いの火ぶたは切って落とされていたのです。
夕方5時過ぎになるとお袋はソワソワし始めます。
チョコチョコと片付けをしては途中で帰りの準備を始め、途中でやめた片付け以外の片付けをチョコチョコとして、また帰りの準備をしつつもういすに座って待機を始めます。
途中まで終わった(ほっぽらかした)片付けはそのままで、焼いている僕が接客をしていてももうレジもしなくなります。
僕の奥さんが仕事終わりに迎え生きてくれる時間なんです。
とは言っても忙しい仕事なので6時を過ぎることもしょっちゅうなのです。
ですので
『今から買い物してからいきます!』とか『少し遅くなりそう』とか『今からいくね』とかメールが送られてくるのですが、その通知音をお袋は覚えたみたいで
『ピンポン♪』
「あら!迎えに来てくれるっちゃね」
とリュックサックやら手提げバックやら買い物袋を4つ(旅に出るような荷物です)を抱え始めます。
「ちょっと待って!買い物してくるらしいよ、もうちょっと待ってて」
とちょっと外に出て待つには早いよと教えてあげても
「え!迎えにくるっちゃろ?」
「いやだから買い物してから来るんだって、もちょっとしてから(お店から)出たら」
「えっ!もう来ちょると!早よいかんと」
だれもソンなこと言ってないのですが全く聞く耳持たずにお店を出て行きます。
年配の方がかかりがちな病気『勝手耳』というやつですね!人の意見や言葉が自分に都合のいいように聞こえてしまう病気ですね。
「ちょっとコンビニにいってくるね!」
というと
「マックスバリューに行くなら、ついでにトイレットペーパー買ってきて!」
「・・・えっ、コンビニに行くんよ・・・」
マックスバリューのマの字も言ってません。
「だからマックスバリューに行くなら!よ!行くならついでに買ってきてって行ったじゃろ」
「だからそこのコンビニに行ってくるっていいよるじゃん」
「ならいいわ(怒)」
当店でよく始まるやりとりです。
間違いなくお袋は重度の『勝手耳』に感染しております。
そうやって早い時間に帰るお袋を尻目に、僕が帰るのは8時前くらいの時間になります。1日汗をかいていますのでご飯の前にTシャツと短パンに着替えて庭を見ると(実家のすぐそばにすんでいますので)日差しよけのテントをお袋が巻き上げていました。
「(日もとっくに落ちてるのに)今頃になんしよると?」
と声をかけると
「台風が来るのに誰もなんもしてくれんがね!なんもかんも自分でせにゃいかんがね!(怒)」
その言い方と態度となにより顔にカチン!ときたので
「なんもかんもって、お袋が自分できる数少ない『出来ること』は自分でせんけ!ゴミは出してもらう、ゴミの袋も縛れないからしばってくんねって縛ってもらい、買い物に連れて行ってもらい荷物を持ってもらい、銀行に自分で行ってことないからいってもらい、役所の手続きしたことないからしてもらい、朝一番の粉を練りながら鯛焼き焼く準備で走り回ってるのを見向きもせず新聞読んでる誰かが『先にお昼食べちょこうと思うっちゃけど(買ってきてくれんかね)』なんて馬鹿なことをいう誰かがおるけどググッと堪えて買ってきてるけどそれでもなんもかんも自分でしよるというのかねあんたわ!しかもあんたを先に帰して今の今まで仕事しよる息子に買えって来るなりそげなこと言われんといかんとかね!」
怒り爆発です。
「あんたは本当にやらしいわ!優しさっちゅうものが全くないわ!」
まだ言うか!
と大げんかした翌日も
「台風が来るから雨戸を閉めてくれんかね」
昨日の自分一人で何もかもしている宣言の舌の根も乾かないうちにいけしゃあしゃあと頼みに来ます。
厚顔無恥とはこのことだ・・・と思いつつも哀れな老婆です・・・しょうがないから雨戸を閉めていると、
「こっちの雨戸も閉めてくんね」「玄関側の雨戸も」「換気扇のふたを見てくれんけ」「懐中電灯の・・・」「ここの戸が閉まらんとよ」
矢継ぎ早に命令します。
頭にくる哀れな老婆やねと玄関側に回ろうとすると
「換気扇を見てくんね!って言いよるやろ(怒)」
どの口が言いよるんでしょう
「玄関の雨戸を閉めろっていったじゃやろ!あんたの言うとおりにいっぺんにできんわ!」
頭にきます。小指の先の爪の先の爪切りの切り残しの筋の先っぽほども謙虚さがありません。厚顔無恥とはこのことです。
「あんたはもうちっと優しい言い方はできんとけ?」
なに諭すようにいいよるよ!それはこっちの台詞です。
そんなこんなの本日です。いくら年功序列の九州男児で、お客さんが二個年上の先輩だとしても
『ケンカせんわけにはいかんのです!』
そこばかりは逆らわさせていただきたいと存じます。
「ほんじゃあよ、『は○たデ○のおさんが鯛焼き買いに来た』ってfacebookに書いてくれ!また買いに来るかいね!」
とその方は笑顔で帰って行きました。
でもですね・・・僕は年上の方を、そのような身体的特徴で表現することははばかられます・・・。
本日スキンヘッドのナイスガイがたくさん鯛焼きを買いに来てくださいました!またのお越しをお待ちしております。