延岡名物 高田万十

音楽一家?

我が家は音楽ファミリーです。僕を除いて。

子どもたちは幼稚園のころからピアノ教室。

中学から高校まで吹奏楽部。

しかも下の娘はいまだに一般の吹奏楽団に所属しています。

さらに家内も小学生のころエレクトーン教室。

中学では吹奏楽部。

つまり――

家族全員、音楽人間。

…僕を除いて。

僕が鼻歌でも歌おうものなら

「お父さん音ズレてる」

「リズム感ないね…」

などというありがたいご指導を家族全員から頂戴する運びとなります。

そんなわけで我が家では僕が音楽を語ることは基本的にありません。

ところが最近写真整理をしていて思い出したことがあります。

なんと僕も――なななんと

マーチング経験者だったのです。

いやいや学校の音楽の授業でちょっとやったとかではありません。

ちゃんとしたマーチングドリル経験者です。

話は小学校6年生のころ。

ある日、担任の先生から

「昼休みに音楽室へ行きなさい」と呼び出されました。

昼休みですよ?

子どもにとって一番大事な時間です。

当然思います。

「何やったっけ…」

音楽家の肖像画に落書きした件か。

机に穴を開けて練り消しで偽装した件か。

マチャアキのタンバリンを真似しようとして

太鼓の革を丸く切って穴をあけた件か。

心当たりしかありません。

「まあ怒られるならさっさと謝って さっさと遊びに戻ろう」

そう思って音楽室の引き戸を開けると

ピアノの前にH君が立っていました。

彼はスポーツ万能。野球とバスケのレギュラー。

運動会のリレー常連。

僕とはまったく接点のないタイプです。

二人で

「何の罪で呼ばれたんやろう」

と相談していると新任の音楽の先生が入ってきました。

若くて優しい先生です。

怒られる気はまったくしません。

なんなら言い負かして罪をなかったことにすらできる気がします。

ところが先生の第一声は

「お願い!吹奏楽部を助けて!」

僕とH君

「???」

事情を聞くとその年の運動会でマーチングドリルをやることになった

しかし楽器がない。人も足りない。

さらに大太鼓とシンバルは中学生用しかなくて重すぎる。

そこで体力担当として呼ばれたのが H君と僕。

こうしてスポーツ少年と問題児の二人は突然吹奏楽部に入部することになりました。

昼休みと放課後は音楽室で特訓。

周りはピアノを習っていて楽譜が読める女子たち。

こちらはドレミも怪しい。

それでも夏のグラウンドで

歩調を合わせて歩き

円を作り

星形になり

風車のように回りながら

楽器を鳴らす。

隣ではH君が

大人用の大太鼓を肩からぶら下げて汗だくで叩いていました。

僕の持つシンバルは太陽に焼けて金属の焦げたような匂い。

あの匂いだけは今でも覚えています。

そして最近気づきました。

よく考えたら

我が家――

家族全員マーチング経験者でした。

僕を含めて。

これはちょっと意外な発見でした。

部活を頑張る子どもたちを
ちょっとでも応援できたらと思って、
吹奏楽応援スタンプを作りました。

「頑張れ!」
「おつかれ!」
「本番ファイト!」

そんな気持ちを送れるスタンプです。
https://store.line.me/stickershop/product/33173048/ja?from=sticker

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