じっと手を見る
いよいよ9月も後半戦ですね。
ほんと、早いもんです。ついこないだ正月やった気がしますよ。家内の実家で竜宮城気分を味わって、「あぁ極楽やん!」と腰を伸ばしたら、あっという間に現実に引き戻されて、「あぁ地獄やん!」といつもの拘束時間13時間・年間休日24日の日々が再開。
「さて今年も頑張るか!」と気合いを入れたのが、つい昨日みたい。…気がつけばもうあと3か月ちょいで正月です。
光陰矢の如し…いやいや、これはもう「ワープ」です。いや…これが正に「タイムトラベル」?
そんな中、ありがたいことに「白熊二人前!」「大盛りで二人で!」なんて声をまだまだいただきます。…が、すみません!白熊はもう終了なんです。
「せっかく来たのに!」とお叱りを受けることもあります。ほんと申し訳ないです…。でもね、もう果物が揃わんのです。特にスイカとメロンがね、もう市場から姿を消しつつある。それにあったとしても値段が…高い!
もしやるなら「延岡名物・髙田万十のフルーツ白熊 時価!」なんて掲げるしかないです。おそろしや〜。僕の人生で「時価」なんて書かれた寿司屋に入ることは、まぁ無いでしょうな。仮にうちで「同じ値段で」と言われたら、そりゃもう透けて向こうが見えるほどの神業スイカ、神業メロンしか使えません。
けど考えてみりゃ、一度包丁を入れた果物はすぐ出さないと傷んでしまう。結局はスイカなら丸ごと一玉、メロンなら丸ごと一玉を買い切っていただくお値段になる…そんなもん、当店にはにあわない。
なにせ数十年前、某商業高校の文化祭アンケートで「デートに使いたくない店ランキング」堂々のブッチギリ優勝を果たしたくらいですからね。理由がまたなんとも的を得ていて、「お金をかけてもらえないデートみたいで嫌」とか「なんかケチられてる気分になる」とか、「月末の小遣いがきびしい感じがして寂しい」とか。つまり、「金がないときにしか行かん店」。…その表彰状昔のお店の壁に飾られていました。
そんな“安さこそ取り柄”の店に「時価」なんて似合うわけがない。
しかし…今年はほんま厳しかった…。練乳も果物も右肩上がり、そもそもの氷の仕入れ値はほぼ倍。おかげで結構忙しく働かせてもらったのに、通帳の残高はちっとも増えていませんでした。
「働けど働けどわが通帳残高増えず…じっと手を見る」
「赤貧、洗うがごとし」

ため息まじりにそうつぶやく僕は、気づけば三代目。
「打開策を考えねば…」なんて言い続けて何年経ったやろ…。
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