延岡名物 高田万十

*

地団駄

   

みなさんご無沙汰しております。
高田万十三代目でございます。

ずいぶんと、本当にずいぶんとご無沙汰しておりました。
駅前街区再開発による仮店舗移転からはや9が月が過ぎようとしております。
日々の仕事に追われ、すっかり記事を投稿することから離れてしまっています。

またそれに追い打ちを掛けるように、親父が死んでからあっという間に・・・スーッと溶け込むようにある日その時は僕の身に・・・いや僕の家族の上に降りかかってきました。

それはきっと誰にでも降りかかってくるさだめのようなものだと思います・・・。
その警鐘を鳴らす意味にも、また僕のストレス発散のためにも、このHPの中でもジャンルを分けて投稿していきたいと思います。
そのジャンルのタイトルは
『Love Story(介護生活)は突然に』
でございます(笑)
最後までおつきあいいただけましたら幸いです

相も変わらず僕に嫌みと顔を見たら何かをさせなきゃ収まらない(自分の手元にあるティッシュをとれだの、使わないと損と思っている)お袋なのですが、ずいぶんとボケが進んだ事と足取りが悪くなって歩くときにバギー(手押し車)が手放せなくなった事以外はすこぶる元気です。
ちなみにボケは進んでいますが、言い訳とごまかす為の嘘はよどみなく口から出る頭の回転の速いところは嫌なことに健在です。

そんなお袋は現在二つの病院にかかっています。
一つは内科系の病院、もう一つは外科でお世話になった総合病院。
どちらも月に一度、お薬もらいに通院しているのです。
先日内科系の病院で先生の問診が終わり毎回行われる認知症のテスト(?)をする為に看護師さんが別室にお袋を連れて行きました。
毎回、診察前に
「カレンダーはどこですか?」
と受付で日付の確認という名のカンニングにも余念がありません。
僕が待合室で待っていると、
「大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫!」
という会話と共に、お袋が車いすに乗って部屋から出てきました。
『あれ?どうしたんだろう』
慌てて看護師さんに聞くと
「ずいぶん前から足が痛くて、歩くのもやっとだったそうです。整形外科受診をした方が良いですよ」
とのことです。
初耳です・・・。
「ずいぶん前から足が痛かったて・・・初めて聞いたわ!」
だって、足取りは確かに悪いけど普通に今日も歩いてここまで来たし、車にも(軽のハコバンで座席が高い)いつも通り自力で座ったし(そりゃあ。後ろに転ばないように介助はします)、宅配弁当を玄関に取りに来る足の速さは現役時代と変わりません。
「ずーっと痛かったけど我慢しちょったとよ・・・」
帰りは抱きかかえるようにしないと車にも乗れませんでした・・・。

幸か不幸か翌日がもう一つの病院の受診日、そこは整形外科もある総合病院です。
車の乗り降りはやはり抱きかかえるようにしないとままならず・・・しかし残念ながら近くに車いすが見当たりません。しかたがないのでバギーを押しながら足を引きずるように待合室へ向かいます。
「ちょっとトイレに行っとくわ」
家を出る前にスマしてきたのに(怒)!と思いながらも「出物腫れ物ところ構わず」
致し方なし・・・運良く大きい車いすでも入れる広いトイレが空いていました。
トイレが終わったら声をかけるように言ってドアの外側で待っていると・・・。
「終わった!出なかったわ!」
それ見たことか!だから言ったじゃん!
あれ・・・普通に歩いてる・・・
痛みが引いたのかしら?と気にもせず(早く終わらせて仕事に戻りたいんです)待合室の椅子に座ります。
しばらくして名前を呼ばれ、診察室に入るため立ち上がらせると
「立たれんわ・・・」
と急に足が激痛で立てないとお袋。
肩を抱きかかえるように支えて立ち上がらせても足を引きずりやっとの事で歩きます。
いつも優しい担当の先生は、いつものように診察をすませ件の足も丁寧にさすったり曲げたり押したりしながら診てくださいます。
「どこか打ったんですかね・・・?骨に異常は無いみたいですね・・・湿布を出しときましょうかね」
と少し苦笑い・・・。
またまた肩を抱きかかえるように支えてあげてやっと立ち上がり、足を引きずりながらバギーに身を預けるように待合室に向かうお袋・・・
さすが看護婦さん、鋭い観察眼で
「高田さん、さっきと(引きずる)足が反対じゃよ・・・」
看護師さんがポツリ・・・
「あれ?・・・あれ?」
右足を引きずり首をかしげ、左足を引きずり首をかしげるお袋・・・
「どっちじゃったかね?」
看護師さんを振り返りたずねます・・・。
「普通痛い方を引きずるわね」
開いた口がふさがりません
「・・・あーもういいわ!」
バギーを勢いよく押しながらすたすたと早歩きで進むお袋・・・。
「しんきなー!(怒)」
何に腹を立ててるのか・・・怒りたいのはこっちです!
看護師さんも苦笑いでした・・・。

 - Love Story(介護生活)は突然に

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