延岡名物 高田万十

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墓掃除

   

墓掃除
本日3月21日は誠に勝手ながらお休みさせていただきます。
三連休最終日・・・家族サービスもせねばなりません・・・。
しかし二日間たくさんのお客さんにお越しいただき感謝感謝のきもちで一杯でございます。
土日祝日の4時間お手伝いに来てもらっていた近所に住んでいる従姉妹は今年に入ってから謎の欠勤が続き今では全く来なくなりました。
別に困りはしないのですが・・・社会人としてどうなのかと疑問を感じつつお袋と親父と三人で営業をがんばっているのでございます!
・・・しかしお袋はレジと洗い方のみしかできません。親父は粉練りとアンコ炊きのみ・・・。何度も言うようですが、以前の当店でも1~2時間おきに交代で焼成作業をしていました。
火の前での作業は体力を消耗します。
以前務めていた某回転焼きチェーン店でももちろん交代で焼いていました。
しかも以前当店ではタイ焼きを6個焼き×4列は二人がかりで焼いていました。僕はそれ+更に6個焼き×3列の合計6個焼き×7列を一人で焼いています・・・。
どうだ!すごいだろ!・・・では無くて、いたしかたなくそうせざる終えないのです・・・。
だって焼成できるの僕だけだから・・・。

連休や夏休み冬休みなど、忙しいシーズンは水分補給の一休みすら出来ず、開店から閉店まで立ちっぱなしの一日・・・さらに反復横跳びでウナギの寝床状態の焼き場を右に左にと動き回るのです・・・。
仕事だから文句はいいません!忙しくさせていただき感謝です!

お客さんが途切れたときに、少しでも来られたお客さんを待たせないようにと焼いている横で、粉を練り終わった親父が暇そうに新聞を読んでいたり、今しなくても良いだろう大工仕事をしていても文句を言わず、
「私しゃ座る暇が無いがね!いまやっと座れた・・・」
と聞こえるように良いながらいつもの炊飯ジャー(何度置くなと言ってもお店のテーブルに置くんです)の席に座りわかりもしないテレビのデータ放送の天気図を本日数度目のチェックをするお袋・・・

いいです!誰にも文句は言いません!
親父もお袋も高齢です・・・体もきついはずです・・・文句は言いません。

しばらくがんばり・・・少し5分ほど休憩が出来そうな・・・人の流れが止まった瞬間がありました!
今しか無い!
「ちょっとトイレ!」
今しか無いんです!お店のトイレでは無く二階のトイレに行く為に階段を上ります。
店内のトイレは和式なんですが、二階の住まい部分のトイレはヒーバーが洋式に変えていたので・・・ほんの数分でも座りたいというただそれだけの理由で二階のトイレに行くのです。
「ホッ・・・」
とした数秒後
「ちょっと!○×△が・・・」
誰かが来ているとお袋が呼びます・・・。
誰だろう?タイミング悪いですが・・・友人知人が来てくれたなら顔を見せないのも失礼な話・・・。商店街や連合会、商工会議所の方がイベントなんかできているかもしれません・・・。
数秒の休憩・・・残念ながら終わりの時が・・・。
慌てて焼き場に戻ると
「誰が来てるって?」
並んでいるお客さんに知っている顔は見えないように思います・・・。ただ「のぼり猿」の着ぐるみのキャラクターとイベントスタッフが数人お店の前に・・・
「だからのぼり猿が来ちょるって!」
とお袋・・・
「で、なんか用事げな?」
今日のイベントに僕の所属する商店街や連合会は参加するような話は聞いていません。
「知らん?」
当然と言った顔で平然と応えるお袋・・・

「俺に用事があるとか、俺を呼んでくれって言ったわけじゃないと?」
「なんも言わんよ!」
・・・この老婆は何を言っているのでしょう・・・
「用事も無ければなんで呼んだっけ?」
「呼んだらいかんとけ!のぼり猿が来ちょるっていったのが悪いとけ!」
良い悪いの話じゃ無いでしょ・・・

そうこうするウチにお客さんが並んでくださって・・・ほんの数秒の休憩が終わりました。
本当にいつもの事なんですが・・・残念です。

さらに先日の事です。
お彼岸と言うこともあり、親父が墓掃除に行くとのこと・・・。
僕は焼成作業があります。
親父は粉練りが終われば、何もすることがありません。当然というか必然的に親父が墓掃除に行くことになります。

「あんたお父さん(親父)が可哀相じゃんけ!バケツだけもってやらんけ!」
全くレジ以外何もしない口だけ専門が専門分野の口だけ出します。
さらに
「お父さんはアンコ炊かないといかんげな!あんたが掃除してきね!」
馬鹿じゃろ!お店を閉めて行ってくるの?
「じゃあ誰が焼くとけ?」
絶対お袋は焼かないんです。
「あんた(僕)がサッといってサッサと掃除終わらせて帰ってくればいいが!」
真顔で言います・・・。
「馬鹿じゃろ!どんげがんばっても一時間じゃろ!お客さんがきたらどんげするとけ!」
愚かな老婆は毛ほどの先も考える事が出来ません・・・。
「私が焼くが!」
自信満々の顔です
全く信用できませんが断言しました・・・そこまで言うのなら
「じゃあお客さんが来たらちゃんと焼きねよ!」
いそいで山下通の入り口から見えるお墓まで走ります。
急いで掃除しながら
「ご先祖様・・・ヒージー・・・ヒーバー・・・お宅の娘は大馬鹿者です!どうか痛い・・・痛ーい罰を当て手やってください」
落ち葉を箒で掃きながらお願いします。
「どうかお袋の枕元に化けて出てきてやってください!息子を大切にしろ!私の孫であるぞよ!と呪いをかけてください」
お墓に水をかけながらお願いしました。
ようやく掃除が終わりお店に帰ると・・・やっぱりお店は閉まったままです。
中に入ると、二人仲良く早めのお昼を食べています。
「もう帰ってくると思ったから、先にお昼食べちょこうやってなったから」
呆れて言う言葉がありません
「お客さんも来なかったから先に食べたとよ」
そうでしょうそうでしょう・・・だって鍵締めてカーテン閉めてたら誰も来ませんよね・・・
それから遅くなっての開店でしたが一生懸命焼いていると
「さっきはスイマセンでしたね!こん人(僕)が墓掃除から帰ってこなかったもんじゃから」
「今朝はスイマセンでした!ダラダラ掃除してなかなか帰って来んかったんですよ!」
「何度もスイマセンね!さっさ帰ってくれば良いとに」
朝おきゃくさん来たね・・・。
来なかったって言ったのはヤッパリウソですね・・・
本当に呆れて言葉を失っていると・・・親父がアンコを炊き終わりました。
「アンコ出来たわ!」
お疲れさん!・・・でも僕もアンコ炊けるけど・・・実は吹きこぼれないよう火の加減を見るばかりですること無いよね・・・と口から出そうな所をグッと堪えていると
「すること無いから墓掃除行ってくるわ!」
ってオイ!


 

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