交通量調査

先日、早朝5時から深夜1時まで通行量調査を商店街メンバーで二日間敢行することになりました。
これがなかなかハードで、早朝5時開始と言うことで4時半からテーブル・イス・テントに筆記用具等々を台車に乗せてゴロゴロ準備します･･･そしてこの寒空の中での作業何より必要な石油ストーブ！
このストーブが無ければ本当に地獄でした！
調査をするのは、延岡駅の乗降客数と東西連絡橋の使用者数。
しかも東西連絡橋の調査ではアンケートも必要とのことでした･･･
あのね･･･朝の通勤、夕方の帰宅時間はどう考えても無理でしょ･･･だってみなさん時間に追われるようにあたふた行き来している時間ですよ！電車に乗り遅れたらもうどうしようもありません！
当然相手にはしてくれません！

はい分かっております･･･それは、もういたしかたございません！逆の立場で僕だってそうなります！
「ふざけるな！遅刻したらどうしてくれるんじゃ！」
怒鳴ります！･･･いや怒鳴らなくても『俺にかかわるな･･･と』『眼力』で射殺します。

それは覚悟していたので、まぁ心の準備も体の準備も整えて、準備万端待機します。。
しかし予期していなかったことなのですが･･･なにより辛かったのは、早朝5時でしょ･･･まだ真っ暗な真夜中のような夜空の中、防寒対策とはいえ、黒のニット帽・グレーの上下のシャカシャカ（ヤッケていうんですかね？）黒のダウンジャケットにネックウォーマーにマスクに軍手･･･我ながら怪しいことこの上ない姿で薄暗い夜道にたたずみます･･･。不審者このうえない風貌なんです。
想像してください･･･そんなヒゲ面の不審者がじっとイスに座ってストーブに当たっているんです･･･。
温かいストーブが照らし出す薄赤い明かりに、ぼんやりと照らされたヒゲ面の男･･･ますます怪しい雰囲気です。
あまりの寒さに、開けている目玉まで寒いのでがたがた震えながら目を閉じていると、駅方面から僕の座っている東西連絡橋の方に『コッコッコッコッコッコッ･･･』と恐らくヒールの足音が･･･しかも二人組の足音が聞こえます。
『人数の記録も勿論、アンケートも採らないと行けないからな･･･』
寒い寒いと思いながら近づく足音の主に声をかけようと目を開けると･･･同時に足音がピタリ！と止まりました。
『ん？』
と顔を上げると･･･
僕を見つめるOL風の女性二人組･･･
『あれ顔が引きつってる･･･』
イヤなモノ、嫌いなモノ、汚いモノ･･･いいえ違います、恐いモノを見て驚いた恐怖の顔をしています。
「あっ･･･おはようございます！アンケートを･･･」
「キャー！」
ホップ・ステップ・ジャンプの三歩で僕の前を直角に曲がり連絡橋の階段を駆け上がっていきました。

･･･薄暗い中、黒ずくめは不味かったです･･･。
そんなことも数度ありつつの二日間･･･なかなか大変な作業でありました。

僕の場合は朝5時から9時までの4時間と、夕方5時から深夜1時までの8時間、計12時間だったのですが･･･本業中の眠いこと！
焼きながらウトウトしちゃいます。

･･･でも油断は禁物です！
しんどそうな顔をしていると、なぜか特別いつもと違うことをするわけでも無いのに
「なんか今日はしんどいわ･･･早よやめよかい！」
眉間に深い皺をよせて、定位置の炊飯ジャーを置いたテーブルの前に座ってテレビのデータ放送の天気図を見ながらお袋が言います。
読めもしない天気図の横に『宮崎　北部　平野部　風強し』の文字が･･･。

心配しなくても5時には駅に調査に行かねばならないので、必然的に早く店じまいすることになるのですが･･･なにか不満というか胸にモヤモヤが残ります。
決して
「お前は商店街の仕事があるやろ！心配せんでお店はまかせちょけ！」
なんて絶対言いません！
「今日は（商店街の）デゴトげな！早よしめよや！」
と喜々として店じまいを始めます･･･。これで良いのか･･･高田万十。

なんか腹が立つのでぎりぎりまで黙っていようと、普段通り焼いていると･･･
「あんたお父さんはもうすぐ８０よ！ちっとは考えてやらんけ！私もなんもかんもせないかんし･･･ちょっとは私どんのことも考えてくれんと！」
テレビを見ながら僕に聞こえるように独り言を言います。
「見てん！お父さんは、アンコ炊いたり、粉といたり！いつまでも仕事せないかんのに･･･私も見てん！やっとかっと歩きよるとに･･･」
言いたくないですが、アンコは週に二回～三回炊きます。だいたい4時間くらいの作業です。粉ときも、一日三回～四回。これは30分くらいの作業です。
それ以外はいつもなにしてるんだろう･･･。接客が嫌だから、お客さんが来ると（来ないと困るんだけど･･･）スーッといなくなります。
「粉ときアン炊きが大変け！全然代わるよ！お父さんに焼いてもらって、おれが裏方するわ！全然良いよ！」
「レジもそんげ大変なら俺が代わるから、お袋が焼いたらいいわ！」
そういう意味のイヤミでしょ！
自分で言うのもなんですが･･･今まで従業員のオバチャンに焼き方専門で働いてもらっていたんですが、一列6個の鉄板を4列焼くときは二人がかり、7列焼くのに三人がかりで焼いていたんですよ！
それを今では僕が1人で、誰にも交代もしてもらえず休み無く一日立ちっぱなしで焼いているんです。
レジもアン炊きも楽勝です！
「そんげな事を言いよるちゃないわ！ちょっと考えてくれたらいいじゃんって話よ！」
「だからよ！そんげ大変ならいつでも交代させてもらうよ！っていってるんじゃん」

「なんで私どんが焼かないかんとけ！あんたに給料払いよるとに！なんできついことせないかんとけ！」
何が言いたいのかさっぱりです。
「知っちょる！そもそもよう焼かんじゃんけ！じゃったらアルバイトかパートさん雇わないとしょうがないじゃん！」
そうなんです。もう何年も前からいつか引退するときに急に僕1人で営業できる訳じゃ無いからとにかく1人雇って欲しいとお願いしているのですが。
「私は反対！絶対反対！」
と反対コールをする老婆が1人いるんです･･･。
勿論人件費分がなかなか捻出できないという大問題もあるのですが･･･なによりお袋が上手に人付き合いが出来ないからだと思います。
以前来てもらっていたオバチャン達はお袋と歳も近く、友達みたいな感覚でいたようです（オバチャン達はどう思っていたかはわかりませんが･･･）。
もし今誰かを雇うとしたなら、お袋と同世代はありえないでしょ！そこもお袋にとって大問題みたいです。

･･･それもこれもひっくるめて･･･総合的に考えてみると･･･ただ僕に文句を言う為の文句であることが発覚しました！
言いがかりも甚だしい！
しばらく口を利かないことでささやかな抵抗をしたいと思います！