小豆高騰
先日のことです、
「明日アンコ炊かなきゃいけないな…」
と仕入れのお金を準備しつつ問屋さんに配達を頼みました。
すると、いつも配達してくれる社員さんのK君ではなく常務さん直々に配達に来てくれました。
すると開口一番
「高田さん、お詫びしなければならないことがあります…」
神妙な面持ちで普段から優しい顔の常務さんがますます憂いに満ちた顔で僕を見ます。
「…なんでしょ?」
なんだか怖くなり聞きたくない気持ちが溢れます。
「実はですね…まず一点」
え!怖い怖い!なんこもあるの?
小心者の僕は心臓バクバクです。
「小豆の値段なんですが…」
あー…ついに来た、わかっていました…毎年北海道に台風が上陸するようになってから小豆・テボ(白あんの豆)の値段は下がったことがないんです。ずーっと値上がり値上がりです。
今年は特に北海道胆振(いぶり)地方を震源とする地震と台風19、20、21号による災害について「激甚災害」に指定されるという大被害がおこっているのは知っていましたから、値上がりはしょうがないと思っていました。
「小豆の値段を間違えておりまして…」
え?間違えるとは?しかっり高かったですよ?だって下がることなくちゃんと高い値段でしたよ。
と『?』の顔になっていると
「ですから当社の販売価格の入力ミスで、『輸入小豆』の値段で高田万十さんに販売していたんです」
ん?じゃあ輸入物を使っていたってこと?
「モノはちゃんと北海道産小豆でしたけど、販売価格を輸入物の値段で売っていたということです」
そうだよね、だって小豆の袋にちゃんと北海道って書いてあったもの。
…え?でも少し値段上がったな…と思ったときに入力ミスしたってことでしょ…
「そうなんです。北海道産が値上がりしたとき、相場制ですからそれに付随するように輸入物も値上がりしたんです。
その輸入物の値段がちょうど値上がりする前の北海道産の値段とほぼ同じだったのでそこで入力ミスをしたみたいです」
なぬ?ということは、僕が高いな…と思いながら見ていた値段は安いはずの輸入物の値段だったってことですか!
…恐ろしい。北海道産に比べて安いはずの輸入物が…。
「そしてもう一つお詫びすることが…」
やめてやめて!もう言わないで!
「さらに次回の販売から値上がりするということです」
キャー!やめて!だから言わないでって言ったのに!
「今日、豆類の販売元から通達があってちょっと大きく値上がりしますと…そこで伝票調べていて入力ミスに気が付いたということです」
で…いくらくらい上がるんですか…?
恐る恐る聞くと…
「高田さんとこがお使いの北海道産のモノ(30キロ)なら大体1万円強ですね…あと粉と砂糖も上がります」
常務さんは深々と頭を下げてくれました…。
いやいや申し訳ないです…。
問屋さんが悪いんじゃないんです…。相場制ですもの…
天候・災害…人知の及ばない自然が相手のことです。誰のせいでもないんです…。
しかしどうしましょう?
単純に大雑把に計算して今一個138円のたい焼きが大体240円以上にしないといけないということです…。
売れませんが薄利多売の営業形態です…。
問屋さんは、
「既製品のアンコを使うという手もありますし、輸入物も品質の良いものを厳選しております」
と対応策をいくつか教えてくれます。
「…あとは値上げしかないでしょうね…」
うーんん…どうしよう
この数日、並んでいないときに来られたお客さんに事情の説明と意見を求めたところから考えると
「150円いじょうなら絶対買わない」「値上がりするなら買われないわね…」「値上がりされたら困る」
等々のご意見が多いようでした。僕も値上がりは困ります…。
既成のモノのですね…パックから出して使うみたいですね。…アンコ炊かないでいいなら楽といえば楽なんですが…。
うーん…でもですね…。
毎週土日に手伝ってくれる我が家内は
「そもそも大きいんだから、その分小さく作るようにしたらどうかしら?十個の箱に9個しか入らなくて一個上に乗せるなんてありえないよ!それにスーなんかのパーパンコーナーなんかにも今まで6個入りだった菓子パンがいつの間にか5個入になっていたり、袋入りのクッキーなんかもちょっとづつ小さくなっているもの!小さく作るのもいいかもしれないよ」
と意見をくれたのですが…以前に小さく焼いてみたことももちろんあります。
でも小さく焼くと鮎みたいになるんですもの!
…ん!逆に鮎焼きとしてこの鮎やなのまち延岡の名物にならないかしら!
しかし…どうすればいいのでしょう…?
答えは今しばらくお待ちください。
何かご意見・アドバイスいただけるのでしたらfacebookのコメント欄にいただけたらありがたいです。
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