延岡名物 高田万十

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      2018/07/12


お久しぶりでございます…
更新を本当に…本当に長いこと休んでおりました。
昨年3月に親父が亡くなり、お盆にお袋がお店に立つことをやめ…。
義母や娘、家内に手伝ってもらいながら、毎日営業しているのですが…朝7時半にお店に出てきて、店の掃除、買い出し、銀行・役所に手続きに、粉の仕込み等々しているとどうしてもお昼からの営業になってしまいます。
『あんたんとこ(当店)もう閉めたって噂になってるよ』
とか
『なんか潰れたって聞いたから心配しちょったとよ』
とか『高田万十倒産説』が流れているとお聞きしていますが、
どっこいやってる♪細々と~♪(ど根性ガエルの歌風)
やっているとは言え、12時から7時まで(なくなり次第終了)…
それから片付けして帰るので、毎日12時間店に立って仕事しています。アンコを炊く日はさらにそれから終わるまでに3時間半も仕事です。

本当に全くもってネタを考える時間もありません。
たまにひらめいて、今日の夜は久々に書いてみようかな…と思うこともあるのですが、家に帰って8時、ご飯食べて9時、お風呂入って11時、もうダウン寸前でパソコンすら立ち上げることのない毎日です。

『あんたんとこ(当店)は儲かっちょるっちゃかい、人くらい雇わんけ!』
一人で焼きながらレジをする僕に、順番待ちをしているお客さんがおっしゃるときがあります。
「雇いたいんですけどね…人を雇ったら僕の給料が出ないんですよ!」
本当なんです。
「嘘いいね!そんげなこつ言って誰が信じるけ!(怒)」
お客さんは嘘を言ってると少し怒りぎみに言いますが、本当なんです。
「本当なんですよ!親父とお袋が『おまえ(僕)が帰ってきて以来オレ達の給料は無えっちゃが!』ってよく言いよったんですけどね、僕もそんなことあるか!と聞きもせんかったんですけどね…自分でやってみて、人雇ったら自分の給料を出せないことが分かりましたわ…じゃねかったらもう人雇ってますもん…」
毎日毎日12時間働いて、年間休日数25日くらい有給無しで、ボーナス・昇給無し、一生懸命働いてるのに、人を雇う余裕も無し…。
一人で頑張るしかないな…と思って頑張ってきたのですが…いよいよ夏がやってきてしまいました…。
かき氷のシーズンです…それこそ焼きながらレジしながら氷りすりながら配膳しながら下膳もしなくてはならないんです…。
出来るかな…?どう考えても一人では無理なことは明々白々です…。
さらに『夏の名物 フルーツ白熊』を今年もするとなると…もうどうしようもないんです。
諸事情悲喜交々ございますが…かき氷シーズン中いや…フルーツ白熊シーズン中だけ手伝ってくださる方を募集したいと考えています。
レジ接客、配膳・下膳、洗いかた、等々(焼成以外の業務全般)、申し訳ありませんが13時から16時位まで、土日を含む週に3~4日位。これまた申し訳ありませんが時給750円が精一杯…。こんな悪条件ですがどなたかいらっしゃいましたらまずはハローワークにお問い合わせいただけたら幸いです…。プリーズヘルプミー!ヘルプ、アイニードサムバディ!ヘルプ、ノットジャストエニバディ!

話は変わって、先日の話なのですが…。
早朝5時半からアンコを炊いていた時のことです。
小豆を5升を1籠に入れて、それを3籠分の15升を大きな釜で煮立てて約2時間。
湯がき上がった小豆をこれまた1籠すつアン練りの釜に移して砂糖を入れながら練っていくのですが…。
アン練り機のモーターの回転を、回転してアンコと砂糖を回しながら練り上げるスクリューのような木べらの回転に動力を伝えるプーリーという部品がゴロン!ととれてしまいました。
「えぇー!(驚)」
と砂糖を入れながら目の前で落ちていくプーリーをまるでスローモーションのように見ながら
「…あっ、地球には引力があるんだ…」
とニュートン的な発想が…嘘です。
頭は真っ白です。
砂糖はすぐに焦げ付くので慌てて火を止め、プーリーをはめて見るのですが…僕より遙かに年上のアン練り機です…。本体との留め具的な金属がすり減ってしまっています。
オマケに留め具を抜こうにも、抜くためのネジの切り込みもすり減ってしまっていてどうにもこうにもなりません…。
このアン練り機はもう販売されていないそうで、製造メーカもとっくの昔になくなっていると聞いていました。
この部品を取り寄せることは出来ないんです…。
『うーん…とりあえずホーム○イドにいってとりあえず聞いてみるしかないかしら…』
と全くもってどうして良いのか判断も出来ず、車に乗って出発しました。

ホーム○イドに向かいながら、
『そういえば、大工道具の専門店が北小路にあったな…』
とふと思い出し、業種違いかもしれないけれどなにかヒントをもらえるかもと、藁にもすがる思いでハンドルを切りました。

そこでは
○ものすごく古いモノだから同じモノはないだろう
○修理をするなら専門のところを探さなくてはないだろう
○自分で修理するならガスバーナであぶって、錆を焼き落としながらゆっくりゆっくり作業すれば留め具は外せるかもしれない
○同じモノはないかもしれないが…(株)福田さんなら使えそうなプーリーの取り扱いがあるかもしれない。ただし土曜日なのでおそらく休みだろう
とのいくつかのアドバイスをいただけました。
一縷の望みとして、とりあえず(株)福田さんとこに行ってみようということに…。
場所も大まかに教えていただき、卸団地に向かいました。

なんとかたどり着き、会社の前を車で通り過ぎるとガラス張りの事務所内は電気が消えているように見えました。
Uターンしてもう一度事務所を覗くと、人影が見えたように見えました。

慌てて車を止めて玄関に向かうと、ジャージ姿やラフな格好の男性が3人各々のデスクでなにやら作業をしていました。
おそらく会社自体は休みなのですが当番の社員さんが電話番をしているように見えました。
自動ドアの前に立つと、電源は切られていました。
開かないガラス戸の前でオタオタしていると…
『休みなんですけどね…』
と少し困った感じの表情で中の一人の社員さんがドアを開けてくれました。
「お休みのようですが申し訳ありません、ただただ困っておりまして…」
と事の詳細と、こちらを紹介された詳細を手短に伝えると
「とりあえず見せてください」
と部品を手にとって見てくださいました。
しばらく社員さんどうしで話し合いながら
「この手の部品はもう取り扱いはないですね…」
との返事でした。
「そうですか…実は駅前で万十屋をしてまして、そのアンコを練っている途中で壊れたののですから…何か良い方法がないかと…藁にもすがる思いで…」
でもどうしようもないことは理解できました。

すると、ドアを開けてくれた社員さん(50代中盤くらい、リーゼント風のオールバック厳つい系のジャージが似合うダンディな方でした)が
「あんた知り合いの鉄工所やら金物屋さんはないと?もうこれは修理するしか方法はないわ!…ちょっとまってよ…」
と会社の電話帳を調べてくれました。
何件かかけてくださったのですが、あいにくの土曜日…。大半の会社は休んでいます。
「だったらよ!○○製作所にいってみね!あそこは電話でらんけど、個人の会社やから家族が誰かおるわ!場所はよ…」
と金属加工の修理会社を教えてくださいました。
お礼を言って車に乗り込むと
「うまくいってもいかなくても、とりあえずオレの携帯に電話してみて!」
と携帯の番号を教えてくださいました。

結局教えていただいた○○製作所は、その時に分る者がいないから月曜日に改めて見せてくださいと言うことで話は終わりました。

その旨とお礼を伝えるべくまた(株)福田さんに戻ると
「オレね、考えたんだけど…その留め具は無視して、新たに穴開けて留め具のボルトをねじ込めば良いと思うとよね…でね、知り合いの鉄工所開けてもらったから、今から連れて行くから俺の車について来ね!」
と今度は鉄工団地に向かいました。
ついてみるとその方は配達に出かけていて、作業台にその部品を置いて
「オレが電話で指示しちょくから、ここに置いておけば良いが!ほんでね…1時…いや1時半に電話するからここに取りに来れば良いが!」
とニコニコ笑顔で言いました。
なんとお礼を言って良いのか分らず、オロオロしながらお礼を言うと
手をフリフリしながら
「いいとよ!いいとよ!」
と車に乗り込み帰っていきました。

言われたとおりに電話を待ちながら、失敗した5升分の小豆と入れてしまった10数キロ分の砂糖を始末しながら焦げ付いた釜の掃除をしていると電話が鳴りました。
『あれまだ1時になっていないけど…』
と思いながら電話に出ると
「今店の前に来てるとよ!」
と社員さん。
慌ててドアを開けると
「これこれ!穴を開け直してネジも作ってもらったから!使えるかちょっと試してみて!」
うれしそうな顔でプーリーを手渡してくださいます。
見ると古い留め具も外してくださって、新たに開いた穴に小さなネジが埋め込まれていました。
はめて見ると…ピッタリはまりしっかり留まりました。
「ありがとうございました!なんとお礼を言って良いか分りません。本当に親切にしていただきありがとうございました!」
感謝の気持ちと、こんなに親切で親身になって一所懸命になってくれるひとがいるんだということに感動して涙があふれます。
「いいとよ!…オレも学生時代にたい焼き食べに来よったから!…それに本当に困ってたんやろ…?もうね、目が『困ってます』って書いてあるように訴えてたもん」
それにしても本当にあり得ないくらい親切な方です。
ただただ頭を下げてお礼を言うことしか出来ませんでした。

このご恩は一生忘れません。
そして今度は僕が誰かを手助けするときは、おんなじ様に真剣に親身に手助けをしようと誓う出来事でした。


 

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