延岡名物 高田万十

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コキタナカミセノウマカトヨ

   

コキタナカミセノウマカトヨ
先日4月11日月曜日の事です!
朝いつものようにお店に行き準備をしていると、親父とお袋重役出勤です・・・。
一応経営者夫婦です、遅刻しても文句は言いません・・・。
『おはよう』の挨拶もないまま
「今日は休もうかい?」
春の恒例・・・休もうかいが出ます。
春は風が吹くんです・・・春一番が吹くんです。お袋は風恐怖症なんです(本当かな?)
お袋曰く、
「ルートインの植え込みが『ガサガサ!ガサガサ!』って動くのを見ると恐いとよ」
いえいえ!強風が換気扇を押し戻すように吹いてならす『ブーン!』って音にも悲鳴を上げます
「やめてくんね!本当にやらしいわ!」
天に向かってつばを吐くように空を睨みます・・・
この時期はだいたいこんなやりとりがほぼ毎日続きます。
「あんたも一人で焼きよるから疲れるじゃろ!じゃからいいが!今日は休もうかい?」
どの口でいうんだろう・・・
先日友人が訪ねてきて少し話している間、焼いている鉄板から目を離した僕も悪いのですが、焦げるのをただ黙って見ていたお袋もどうかと思います
「焦げてしもたから捨ててくんね!」
この仕事しかしてないのに、焼き上がりすら見れないのか!
だまらっしゃい!
「そんげ毎週毎週休めないやろ!がんばろうや」
「そんげなこと言って!私が死んでもいいとけ!」
断固として仕事拒否です・・・。
「どの口でいうんかね!子供が小さい頃休ませて欲しいっていっても、『そんげ休みよったら給料払えんくなるとよ!ちっとは考えて仕事しね!』って休ませてくれんかっったじゃんけ!子供達と遊んでやれんかった事わすれたっけ!」
本当です・・・月に一回の休みや2ヶ月休まないこともざらでした。
「そんげなことおぼえちょらんわ!もう私たちも歳じゃもの!」
知ってます!だから従業員を雇おうって言ってるんです!
「雇うのは反対!絶対反対」
もうどうしたいのか分かりません・・・。
「わかった・・・もう帰ればいいが・・・今日も一人でするわ・・・」
今日は粉練りから最後まで一人でがんばったんです・・・
ちなみに朝のウチに一日分の粉を練ったのですがおおよそ三十分・・・親父の普段の実働は三十分です・・・あとは本当に何してるんだろう?

ところで先日の月曜から月9の新番組が始まるそうですが・・・毎日チャンネルをひねると「福山雅治」さんが新番組の宣伝なんでしょうか・・・あちらの番組こちらの番組に登場します。

イケメンですね・・・神がかり的な美しさをもった男性です・・・。
そもそも僕はイケメンがキライのですが、彼は美しすぎる!迷惑です!もう少し劣化してくれないと本当に迷惑です!
「見て!お父さんと同い年!」
福山雅治さんがテレビに映る度に、繰り広げられる攻撃・・・。
そうなんです彼と僕は同い年、同級生なんです(面識も接点もなくただ同い年ということです)。
そもそも、神がかり的イケメンと、子供時代から老けていた叩き上げの僕を比較することがナンセンスなんですよ!
ダイヤモンドと臼を比較してるようなものです・・・だって比較しようが無いじゃ無い!それはただの嫌がらせです!
僕とテレビを交互に見比べ・・・
「無いわ・・・」
とため息!
そんなお父さん(僕)が可哀相です!比較反対!イケメン至上主義に断固抗議します!
そもそももうチョット福山雅治(もはや呼び捨て)も年相応に劣化すべきです!
まったくもう・・・

そんな朝の一コマがあったからでしょうか・・・仕事をしながら大学時代の友人を思い出しました。
と言っても決してイケメンではなく、福山雅治の出身地長崎から来ていた山ちゃんという友達がいました。
彼はどこかしら大物の雰囲気を漂わす男で、物事をはっきりと物怖じせずにいう『ザ・九州男児』でした。
そんな彼と当時僕の住んでいたアパートの近くを二人歩いていると
「タカちゃん!腹ばへらん?」
二人とも貧乏学生です、いつも腹ぺこです。
「腹減ってないとき無いよ!(笑)」
分かって聞いてるやろ?と思いながら、
『米はまだある!近くのスーパーで総菜買って飯を炊くか・・・はたまた行きつけの大盛りごはんの定食屋に行くか・・・』
と考えていると
「ここのラーメン屋ばどう?」
いつもの通り道にあるラーメン屋を指さします。
「ラーメンね・・・」
ラーメンは大好きです!・・・でもその店はものすごく薄汚れていて、暖簾も破れたりほつれたりしていて、入り口は開いているのですが中が暗くて、カウンターだけの店であること以外様子がわかりません。正直食べに入ろうと思ったことは一度も無い店でした。
「コガンコキタナカミセノウマカトヨ!」
なんですって?ん?
僕もそうとう延岡弁丸出しですが、山ちゃんも長崎弁丸出しです!
「じゃから!こがん小汚なか店の美味かとよ!入ってみらんね!」
そうかもしれんけど・・・勇気もいります。
「入ろうや!小汚なか店に入って美味かったらおもしろかやろ!」
どんな基準か分からないのですが、ソコまで言うのなら・・・と暖簾をくぐると
薄明かりの電球の真下にカウンターに身を乗り出すようにして店主が
「小汚い店で悪かったね!そんげ言われたらがんばらにゃいかんね」
暇だったのでしょう・・・僕たちの会話を一部始終聞いていた様子です・・・。
気まずい雰囲気でカウンターに座ると
「ハハ!大将も人の悪かね!『聞こえてますよ』って言ってくれればよかとに!」
山ちゃんは平気です・・・。
大将は年季の入った手さばきでラーメンを作ります・・・これは期待できるか!
「はいお持ち!」
どうだ!と言わんばかりの大将です。
食べてみると・・・正直美味しい・・・くはないかもしれない・・・でも言えない・・・
と思っていると
「大将!」
山ちゃんが声をかけます。
大将は『どうだ!』と言わんばかりの顔です。
「大将!イマイチ!美味くはなか!」
はっきり言います!
「えぇ!本当にか!・・・あ!これ入れろ!これ!」
大将はテーブルに供えられたガラスの薬味入れを指さします。
「これ?」
・・・正直、衛生的に問題ありの薬味入れです・・・。黒い液体に黄色い刻んだ何かが浮いています・・・。いつ洗ったの?
「これ入れたら美味かラーメンになるとね!大将、早よ言わんね!」
山ちゃんは躊躇せず耳かきみたいなスプーンで二匙いれました。
フタを開けたときにニンニクの匂いと醤油の匂いがしました。
「・・・」
山ちゃんはじっくりと味を見ます・・・
「どう?」
大将も真剣な面持ちです。
「(刻みニンニクの醤油漬け)入れて普通!」
山ちゃんははっきり言います!

残念ながら当店もそうとう古いから汚い店になってきています・・・。
ココで声を大にして言います!
「コキタナカミセノウマカトヨ!」


 

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